
富山県·銘菓
薄氷
早春の水田に、薄く張った透きとおる氷――。そのはかない情景を、そのままお菓子にしたのが、富山を代表する銘菓「薄氷」です。 薄氷本舗五郎丸屋の創業は、宝暦二年(一七五二年)。富山産の新大正もち米を極薄にのばし、阿波の和三盆を一枚ずつ刷毛で塗り重ねて仕上げます。その上品な味わいは早くから評判を呼び、加賀藩主から幕府へも献上され、明治以降は宮内省御用達となった格式ある歴史を持ちます。職人の手仕事で、二日がかりで作られる繊細な菓子です。 口に入れると、すうっと溶けて消えていく。早春の冷たい空気のはかなさまで写しとった、富山自慢の干菓子です。
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