
鹿児島県·郷土料理
酒ずし
ふたを開けると、ふわりと立ちのぼる、お酒のやわらかな香り。たいやえび、たけのこ、つけあげ——色とりどりの具がぎっしり重なり、見ているだけで心が華やぎます。 酒ずしに欠かせないのが、鹿児島の地酒「灰持酒(あくもちざけ)」。もろみに灰汁を加えて絞る独特の製法で、火入れをしないためうまみ成分がたっぷり残ります。この地酒をたっぷりまぶしたごはんと具材を桶に重ね、軽く重石をのせて半日ほど寝かせ、ほのかに発酵させます。 起源は、島津の殿様が花見の宴の残り物と酒を桶に入れておいたところ、翌日よい香りに変わっていた——という偶然の発見と伝わります。祝いの席を彩る、鹿児島の春のごちそうです。
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