
岩手県·肉料理
遠野ジンギスカン
ブリキのバケツに固形燃料、その上に鍋をのせて、じゅうっと羊肉を焼く。立ちのぼる香ばしい煙、たれの焦げる匂い——青空の下で囲む「バケツジンギスカン」は、遠野の人にとって、いちばんごちそうな日常です。 始まりは戦後まもなく、遠野で開かれた精肉店兼食堂。山道で七輪が割れてしまう悩みから、空気穴をあけたバケツに鍋を組み合わせる工夫が生まれたと伝わります。 じっくり焼けた羊肉は、見た目よりずっと軽やか。脂がじゅわっとあふれ、たれをまとってご飯がすすみます。花見に運動会、お祭りに——人が集まれば、バケツが出てくる。みんなで囲んで突つく羊肉は、なぜだかいつもより、おいしく感じます。
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